WebアプリケーションとAPIを保護するセキュリティ対策

ECサイトや業務システムなどのWebアプリケーションは、今やビジネスの「顔」として不可欠な存在ですが、DXの進展に伴い、そのアプリケーション層を狙うサイバー攻撃は激化・巧妙化しています。
高度化する攻撃に対して、公開されたWebサービスやAPIの脆弱性、設定ミスを突く侵入を完全に防ぐことはできず、情報漏洩やサービス停止といった経営リスクは高まる一方です。そこで急務となるのが、WebアプリやAPI、そして開発プロセス全体を保護する「アプリケーションセキュリティ」です。本記事では、この対策の重要性と、実践の核となる4つの主要技術(NGWAF・APIセキュリティ、DDoS対策、SSLサーバ証明書、DevSecOps)について解説します。
アプリケーションセキュリティとは?基本概念とその重要性
アプリケーションセキュリティとは、展開後のWebアプリケーション保護にとどまらず、設計・開発から運用に至るライフサイクル全体でセキュリティリスクを低減する取り組みです。
重要性が増す背景には、クラウドシフトにより企業の資産価値と攻撃者の標的が、インフラからアプリケーション層(レイヤー7)へ移行している点が挙げられます。加えて、サービス間連携や外部連携に不可欠なAPI(Application Programming Interface)の拡大も要因です。プログラム間通信であるAPIは、従来の防御手法では対応しきれません。ビジネススピードを維持しつつ、複雑化する「アタックサーフェス(攻撃対象領域)」を守るには、各レイヤーに最適化された多層防御が必須となっています。
アプリケーションセキュリティに関するトレンド
Webアプリケーションを狙う脅威は、単純なSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった既知の手口に加え、ビジネスロジックを悪用する高度な攻撃へと進化しています。最新の脅威動向と対策の潮流を整理します。
主な脅威動向
- API固有の脆弱性を狙う攻撃
- APIの認証不備や過剰なデータ露出を悪用した、大量の個人情報の搾取
- 正規通信への偽装により、従来の境界型防御では検知が困難な侵入手口
- 高度化するBot攻撃とDDoS
- 正規ユーザーになりすました「Bot攻撃(Application DDoS)」の増加
- 単なる通信量による妨害を超えた、ビジネスロジックへの直接的な攻撃
- サプライチェーンと開発工程のリスク
- OSS等のライブラリに当初から潜んでいる、検知しにくい既知の脆弱性
- ソースコードへのクレデンシャルや秘密鍵の混入による不正アクセスのリスク
セキュリティ対策傾向
主流となっているのが、従来のWAF、API保護、Bot対策、DDoS防御を単一のプラットフォームに統合した「WAAP(Web Application and API Protection)」への移行です。ツールを個別に運用するのではなく、WebとAPIを包括的に保護する動きが加速しています。
また、現在は開発と運用が一体となるDevOpsにセキュリティを統合する「DevSecOps」の考え方が主流です。完成後のテストで脆弱性が発見され手戻りが発生する事態を防ぐため、開発の初期段階(シフトレフト)からセキュリティテストを自動化し、品質と安全性を両立させるセキュリティ・バイ・デザインのアプローチが求められています。
アプリケーションセキュリティの主要対策
NGWAF(Next Generation WAF)・APIセキュリティ
従来のシグネチャベースではなく、AIや機械学習を用いてトラフィックの振る舞いを分析し、未知の攻撃や高度なBotを検知・遮断するソリューションです。APIセキュリティ機能と統合することで、管理外の「シャドーAPI」やAPI特有の脆弱性も可視化し、WebとAPIが融合する現代のアプリ環境を包括的に保護します。

DDoS対策
単一デバイスからのDoS攻撃のみならず、複数デバイスをボットネット化して同時攻撃を仕掛けるDDoS攻撃へ対応し、ビジネスの可用性を維持する技術です。トラフィックを常時監視して異常発生時は即座にフィルタリングを行い、ネットワーク帯域を埋め尽くす大規模攻撃からアプリ層(レイヤー7)への攻撃まで幅広く対応し、サービスの安定稼働を担保します。

SSLサーバ証明書
通信の暗号化に加え、認証局(CA)による「実在証明」でWebサイトの信頼性を担保する基盤技術です。盗聴や改ざんを防ぐだけでなく、フィッシング詐欺サイトとの判別を容易にし、ユーザーに「正規のサイトである」という安心感を提供する、セキュリティの基本要件です。また、証明書は短い期間でローテーションしていく必要があり、その作業の自動化構築も急務です。

DevSecOps
開発(Dev)と運用(Ops)にセキュリティ(Sec)を統合し、安全確保を自動化するアプローチです。コーディングやビルドの段階(CI/CDパイプライン)で脆弱性診断を自動で行うことで、リリース直前の手戻りを防ぎ、開発スピードを損なうことなくセキュアなアプリケーションを継続的に提供します。

アプリケーションセキュリティに関する相談はネットワールドまで
アプリケーションセキュリティを真に実現するには、単なるツールの導入にとどまらず、守るべき対象(Web、API、コード)を見据えた全体設計と技術選定が欠かせません。NGWAFやDevSecOpsなどを組み合わせ、死角のない防御体制を構築する必要がありますが、膨大なソリューションの中から自社に最良の組み合わせを見極めるのは容易ではありません。
ネットワールドでは、特定のベンダーにとらわれない中立的な視点で、お客様の環境に最適なセキュリティ対策を支援しています。防御の強化や運用の自動化にお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
